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京都大愛好家一年生に向けた京都”駆け巡り”指南ブログ 

京都一周トレイル 元旦に全コースを一日で踏破すべし

2021年1月1日午前0時0分開始、元旦に京都一周トレイル全コース周っちゃおう企画。

京都一周トレイル 全コース1Day 元旦 / べーたさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

 

全長75kmのコースをジャスト20時間かけて駆け抜けた。この年は数年に一度の大寒波の影響で雪がかなり積もっていて積雪は深いところで40cmオーバー。この日のために購入した登山靴とアイゼンのおかげでなんとか進むことができた。この時期登山する人は必須アイテム。

 

この京都一周トレイルのコースはかなりうまいことできている。

 

トレイル全体は75kmあるが、地図自体は東山コース、北山東部コース、北山西部コース、西山コースの4パートに分けて配布されている。 

まず、簡単にそれぞれの特色を書いていく。

<東山コース> 

全長24.6km

Start 京阪伏見稲荷駅

Goalケーブル比叡駅

 

このコースは比叡山を登り始めるまでは基本的に市街地のすぐ横の山を伝っていく。伏見稲荷泉涌寺、将軍塚、蹴上、大文字山などの名所を辿りながら進んでいくため景色に飽きない。比叡山もそれほどきつい坂はなく全体的に気持ちよくハイキングができるコースとなっている。ゴール地点のケーブル比叡駅からの景色は絶景。

 

<北山東部コース>

全長17.9km

Startケーブル比叡駅

Goal二ノ瀬駅

 

横高山,水井山のあたりの坂がかなりきつい。大原を抜けてから鞍馬へ向かう薬王坂もかなりの激坂。けど大原、鞍馬と市街地北部の観光名所を通るので楽しい。

 

<北山西部コース>

19.3km

Start二ノ瀬駅

Goal清滝金鈴橋

 

きつい坂の多さではこのコースが一番多い気がする。夜泣峠、向山、小峠、京見峠....。

ひたすら景色の変わらない山の中を進む。その分下り坂が多いのは楽しいけど。

山道しんどかった分高雄から清滝に向かうまでの清滝川沿いのコースは気持ち良い。

 

<西山コース>

10.7km

Start清滝金鈴橋

Goal苔寺

 

嵐山の観光地を歩ける、一番京都を感じるコース。鳥居本とか常寂光寺,二尊院,竹林の小径の近くとかetc...

渡月橋を渡って阪急嵐山駅の近くを通ったら最後の山、松尾山へ。

疲れた時のこの山がとにかく効く、すごく長く感じる。

 

 

では少ない写真だけど感想を

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京阪伏見稲荷駅スタート

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比叡山の途中にあった鳥居

「深夜、深い雪の積もる山道の途中に突如現れる鳥居」ってだけで興奮する。

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ケーブル比叡駅

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ケーブル比叡駅からの夜景

登山靴じゃなく普通の靴でここまで来ている男子大学生がいてびびった。絶対足の中雪染み込んでめちゃくちゃ冷たいぞ。

 

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雪山っ

この辺りではアイゼンをつけて歩く。一番雪が深かった。

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鞍馬寺 うっすら積もってる

前日、京都新聞鞍馬寺付近が40cm以上の積雪とのことで少し不安だったけど思ったより積もってなくてよかった。

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最後の山、松尾山からの夜景

 

 

では以下、この企画の面白さを書いていく。

ポイントは三つある。

1、優越感

2、初日の出が見れちゃう

3、精神の追い込み

 

1、優越感

一月一日と言えば、誰しも何か新しいこと始めてみたいと思いつつも三日坊主になるのも嫌だし何をしたらいいものかと決めかねている時だ。ここで敢えて山に登ってみると良い。「特別感」は少なくとも保証できる。正月くらいゴロゴロしたいのが普通だから。僕だってしたかった。けど敢えて行く。敢えて。

 

あと、そもそもだけどこの企画が出来るの時期は大学生にとってかなり限られている。

このチャレンジをした次の日は筋肉痛で一切歩けないので少なくとも二日は予定を空けておかなくてはいけない。

しかも、

二月    期末考査

三月〜五月 花粉症の人は山に登れない

六月    梅雨

七月    前期期末考査

八月〜九月 暑すぎて水を何リットルも持って歩かないといけない

十月〜十一月秋はクマが活動活発化していて怖い

こんな感じで、友達と二人で登るとしたらベストの時期はゴールデンウィークの花粉症がぎりぎり終わる時期か、1月、12月の雪が積もってない時期かの二択になってしまう。

そんなこんなで友達との予定の兼ね合いで1月がベストだとなって、せっかくなら1月1日に登ってやろうと提案したのが発端だ。

 

あとこの日に京都一周トレイル全コース制覇すればその年で始めて京都一周トレイル制覇した人になれるよ。

 

2、初日の出が見れちゃう

僕の歩いたペースでいくと、ちょうど比叡山山頂から水井山のあたりで初日の出が登ってくる。このあたりの山で一番高い所に位置するため、琵琶湖のあたりまで景色が見える。京都市の一番東にあり、かつ一番高い山の上から見る初日の出は京都市一番の絶景と言っても過言じゃないと思う。ここで元気が出た。75km不眠登山をしたかった理由の

 

3、精神の追い込み

75km不眠登山をしたかった理由の一つに、満身創痍で疲れのピークが来て精神的に追い込まれた時にその先に自分がどういう感情になるかを見たかったというのがあって、それを人工的に作り出せる気がしたのが今回の企画だった。なので感情面のことを長文で書き留めておく。

 

今回の企画は高校からの親友と二人で行った。

20時間も登山してたら眠気とか疲れで機嫌悪くなるタイミングもそりゃあって、友達はそれがほんとに最後の最後(嵐山の辺り)で来て、愚痴やイライラが聞いてて辛かった(僕なりにかなり準備したりこの日のために事前にコース走ったり天気,安全性の確認したりしてこの人となら一緒にできるって人を誘ってなんとか始まった企画で結構楽しみにしていたからそういうのを否定されること言われると腹立つ以上に悲しくなった)ので、そういう心境を伝えて最後は気持ちよく終わらせてくれと伝えようか,松尾山(最後の山)は登らず終わりにしようかなどと考えてたんだけど、それっぽい内容をぽろっと口にした(気持ちよく終わりたいからここで終わりにしてもいい的な内容)時に「でも○○(僕)にとってのいい終わり方は最後まで走りきることなんやろ、なら最後まで行こ」って言われて、こんなに疲れてイライラしててもそれだけは理解してくれることを知った。

 

高校時代から誰よりも同じ時間過ごしてきた,僕の無茶に沢山着いてきてくれた親友に対して僕が言わずとも(疲れのピークでイライラする中でも)相手はなんとか僕の希望を叶えようと努めてくれているのにその可能性すら考えてなかった自分の考えの浅さにハッとして、そもそもこの無茶な企画も僕が考えて僕がお願いして着いてきてもらったんだから僕はお礼を言うべき立場だったと思い返した。そんなことを考えてるうちに最後の山の山頂も過ぎて下り坂に突入して、残り数十メートルってとこになったから「なあ○○(親友) 今日はありがとうな」って言ったらほんの少し前まで機嫌悪かった友達が「何を今更笑」って笑って答えてくれて、「まあ○○(僕)が言い出さなきゃこんなこと出来なかったからな笑」って言ってくれたところでゴールした。最後の階段を2人とも降りて、ああ終わったな〜って言ってお疲れって握手の手を差し出してくれたから握手して、いつもの僕たちの関係性に戻って笑いながら,一日の思い出語りながら駅まで歩いた。

 

もしあそこで、僕が「最後くらい気持ちよく終わらせてくれ」って不満げに言っていたらどういう終わり方になっていたんだろう,その言葉の出る可能性はありがとうという言葉のすぐ横に少し前まではあったんだよな、って事を考えて、一言の言葉の重み、違い、言葉が口から出る背景とかをとても感じた。

 

この、一言で関係性が180度変わるというのは数ヶ月前にも経験してて、その時は間違った方の言葉を選んでしまった(不満げとはまた違う意味で)から余計に。そのたった一言の間違いで、恋人に嫌われてもう半年話してない。あと数ヶ月したらちゃんと謝りに行く。

 

 

いい年にすっっっぞおおおおおおおお